アスベストの代替品(2)
繊維の発ガン性を判断
アスベストなどの鉱物繊維を肺に吸い込むと、どうしてガンができるのか、判明していませんが、繊維に発ガン性があるかどうかを判断するときの基準が4つあります。
第一に、その繊維が人の肺に吸い込まれるかどうかです。太い繊維は鼻、咽喉などの表面の粘液や気管、気管支の繊毛によって取り除かれます。
セラミック繊維、フェスフェート繊維、チタン酸カリウム、けい酸カルシウム繊維は細いので、肺の奥まで吸い込まれてしまいます。
炭素繊維やアラミド繊維などの人造有機繊維は太いので、そのままでは吸い込まれませんが、縦に割れて細くなったものは吸い込まれるようです。
第二に、肺の奥まで吸い込まれた繊維が分解されずに残るかどうかです。ロックゥール、ガラス繊維はアスベストに比べて分解されやすいことが判明しています。
エリオナイトは発ガン性有り
第三に、分解されずに残った繊維が発ガン性を示すかどうかです。様々な繊維を動物の腹部に注射した結果、太さ0.25ミクロン以下、長さ8ミクロン以上の繊維は発ガン性が強く、2ミクロン以上の太い繊維は発ガン性が微弱であることが示されています。
第四に、吸い込んだ人が実際にガンになったかどうかです。ロックゥールや普通のガラス繊維が使われ始めて100年にも満たない段階ですが、製造労働者の疫学調査の結果発ガン性は確認されていないようです。天然の鉱物繊維であるエリオナイトは動物実験でも、疫学調査でも、中皮腫を発生させることが知られています。
このように、ロックゥールや普通のガラス繊維は、少なくともアスベストより発ガン性が低いと考えられますが、エリオナイトは発ガン性があります。労働省は1992年に、労働者がロックゥール、ガラス繊維を吸入しないように対策指導を行なっています。