毒性の判明(2)
肺ガンと悪性中皮腫
アスベスト労働者の肺ガンと悪性中皮腫が世界で初めて報告されたのは、1935年でした。50年代に、アスベストばく露と肺ガンとの因果関係が確定し、60年代に悪性中皮腫との関連性が明らかになりました。
1960年以降、アスベスト労働者の妻子や使用人、近隣住民らの悪性中皮腫等の報告が相次ぐようになり、アスベストは小量ばく露した者に対しても危険であることが分かりました。
1964年にアメリカのセリコフ博士は国際会議の壇上で、20年以上アスベスト粉じんにさらされた労働者の87%が肺に深刻で回復不可能な損傷を受けていると報告しました。
その後の研究で、アスベスト絶縁体を扱う労働者は他職種の工業労働者よりも、肺ガンで7倍、胃ガンで3倍もの高率で死んでいることを明らかにしました。
アスベストの脅威
1978年に、米国政府は国民に向かってアスベストの脅威を警告し、第2次大戦以降、全土に1100万人のアスベスト被爆者がいること、その半数にガンによる死の危険性があると訴えました。
それと同時に国内40万人に医師に手紙を発送し、アスベスト関連の病気の診断法と処置法について情報を提供しました。
1980年代以降、北欧諸国は相次いでアスベスト使用を禁止し、その余波はヨーロッパ諸国にも広がってきています。
法律で禁止しない国々の中にも、使用量が激減している国は多く、20万トンものアスベストを使用しつづける日本は情報鎖国状態から、まだ脱し切れていないのかもしれません。