アスベストによる被害(2)
アスベストによるガン
アスベスト肺以上に問題になっているのが、肺ガン、悪性中皮腫などアスベストによるガンです。アスベストの発ガン性が認知され、労働者の発ガン予防対策が法律で規定されたのは、1971年のことです。
胸膜の悪性中皮腫だけで毎年100人以上が亡くなっているのです。しかも、その後は10年間に3.8倍に増えています。日本の悪性中皮腫の原因は、アスベスト以外には知られていないのです。
肺ガンの場合は、タバコによるものか、アスベストによるものか区別するのは極めて困難です。しかし、肺ガンは近年急激に増えているのです。1993年には肺ガンが男性のガン死亡率のトップになっており、アスベストと無関係とは言い切れないようです。
1994年までにアスベストによる肺ガンあるいは中皮腫で労災認定された労働者は合計210名です。胸膜の悪性中皮腫で毎年100人以上亡くなっている方のほとんどは労災によるものと思われますが、悪性中皮腫の労災認定は年間10件程度です。
各国の犠牲者
日本では医者も労働者もアスベストに関する認識が低いので、悪性中皮腫で亡くなっても労働申請しない場合が多いようです。
日本より早くからアスベストを大量に使ってきた欧米諸国では、すでに膨大な数の犠牲者が出ています。
ニコルソン博士達は、1940年から1979年までに米国で2750万人の労働者が仕事で大量のアスベストにさらされ、1982年にはアスベストによるガンだけでも年間約8200人が死亡すると推定しています。
フランスでも年間の中皮腫死亡者は1000人を超え、2020年頃には3倍に達すると予測されています。フランスの研究者は、肺ガンによる死亡者を中皮腫死亡者の2倍と推測し、2020年頃には年間約1万人がアスベストによる病気で死亡すると推定しています。