石綿による健康障害
健康障害の種類
石綿(アスベスト)による健康障害は、石綿を取り扱う作業に従事してから、長い年月を経て発症します。では、どのようなものがあるか挙げていきましょう。
■石綿(アスベスト)肺
石綿粉じんを大量に吸入することで生じる「じん肺」の一種で、酸素と炭酸ガスの交換を行なう肺胞に石綿繊維が沈着し、肺胞壁に繊維化を生じることによって、その機能が損なわれる疾患
■肺ガン
肺ガンになる危険性は、石綿粉じんの吸入量が増すほど高くなり、その危険性はタバコを吸わない人の肺ガンの危険性を1とすると、タバコを吸う人は10倍、石綿にさらされる人は5倍、タバコを吸って石綿にさらされる人は約50倍とする報告もあります
■中皮腫
肺を取り囲む胸膜、胃腸などの臓器を覆う腹膜などにできる悪性腫瘍で、石綿粉じんの吸入との関係が指摘されています。石綿に最初にさらされた時から、30~50年後に発症すると言われています。
■胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)
肺を覆う胸膜の壁側にできる部分的な肥厚で、これのみでは肺機能の障害などは伴いませんが、過去に石綿粉じんを吸ったことの医学的所見として重要視されています。
■良性石綿胸水・びまん性胸膜肥厚
比較的高濃度の石綿粉じんを吸入することで、数年~40年後に胸腔内に浸出液が生じる場合を良性石綿胸水と呼びます。
胸水が治る過程で臓側と壁側の、両方の胸膜の癒着が起こり、広い胸膜の肥厚をもたらします。何度も胸水貯留を繰り返すと、びまん性の胸膜肥厚が進行し、肺機能の障害をもたらすことがあります。