阪神・淡路大震災でのアスベスト問題
ビル解体時のアスベスト
兵庫県南部地震で、17万棟以上の建物が全半壊しました。その大部分は古い木造家屋で、アスベストはほとんど使用されていませんでした。アスベストが使用されていたのはビルで、1400棟以上が倒壊したと伝えられています。
被災地で問題となったのは、壊れたビルを解体するときのアスベスト飛散です。ビルを解体するときには、まずアスベストが使用されていないか調べて、アスベストが使われていなければ、飛散防止対策を講じてアスベストを除去し、その後にビル解体となります。
しかし被災地では、アスベストが使用されているかどうかをよく調べず、飛散防止対策もしないまま、あちこちでビルを解体したため、アスベストが飛散してしまったのです。
ずさんな飛散防止対策
アスベスト建材などの飛散防止対策がほとんど行なわれていないことも、アスベスト汚染の大きな要因になっています。
ビルを解体するとき、アスベスト建材の有無を調査せず、天井や壁にアスベスト建材が使用されていても、そのままハンマーで割り、床のピータイルは剥がさずにコンクリートと一緒に粉々に解体している場合がほとんどです。
これは明らかな労働安全衛生法違反です。ゼネコンなどの認識が不十分な上に、アスベスト建材等の除去費用は公費で支出されないため、違反工事が横行しているのです。
ビル解体によるアスベスト飛散で最も被害を受けるのは、防じんマスクもせずに解体工事に従事している労働者です。10年、20年後に肺ガン、悪性中皮腫などの被害が発生する恐れがあります。