ヨーロッパのアスベスト使用禁止
白石綿以外は禁止
ヨーロッパでは早くも1980年に、ノルウェーとデンマークがアスベストの使用を原則として禁止しています。スウェーデン、スイスがこれに続いて、1990年代に入って、フィンランド、ドイツ、イタリア、オランダが使用を禁止しました。
イギリス、フランス、米国、オーストラリアでは、使用を禁止する法律はありませんが、実際にはほぼ使用されなくなっています。早くからアスベストを大量に使用し始めた欧米諸国では、アスベストによる被害がすでに多発しているからです。
例えばイギリスにおいては、1991年に年間1000人以上の人が中皮腫で死亡し、年間死亡数は2020年ごろまで増え続け、男性の100人に1人はアスベストが原因で死亡すると予測されているのです。
こういった事実を背景に、イギリスやフランスも含め、欧州連合(EU)全体で白石綿(クリソタイル)以外のアスベストの使用は禁止されています。白石綿もおもちゃ、吹き付け材、塗料、屋根のフェルトなどへの使用は禁止されています。
米国は使用量が激減
米国では、アスベストの発ガン性は広く知られており、1991年以降にアスベスト使用量は減り、1992年には約3万トン、ピーク時のわずか4%にまで低下しました。米国鉱山局の年次報告でも、1992年からアスベストの項目は無くなりました。
日本では、欧米諸国に比べるとアスベスト被害者は少ないようですが、胸膜の悪性中皮腫による死亡者は、10年間に3.8倍に急増しています。アスベストによる病気は潜伏期間が長いので、使用を禁止したとしても被害者が何十年も発生し続ける恐れがあります。