アスベストはいつから使用されたのか
古代より
スーダンやケニアでは、石器時代に早くもアスベストを使用していた形跡があり、フィンランドでは紀元前2500年にアスベストの存在に気づいています。歴史時代に入ってからは、エジプト・ギリシア・ローマなどの書物に登場するようになりました。
それらによると、ギリシア・アテネ神殿のランプ・ローマ・ウェスタの神殿の「永遠の火」の灯芯は、ともにアスベストでした。そして、ナプキン・女性の髪飾り・上流階級の着衣、皇族の屍衣などにも用いられました。
わが国史上初めて、2cm角のアスベスト布製造に成功し、「火浣布」の名で発表したのは、江戸時代の奇才・平賀源内でした。しかし、すでに長崎ではオランダからアスベスト製大判ナプキンが渡来していました。
アスベストの工業利用が始まったのはイギリス産業革命期に突入しました。蒸気機関の保温・断熱材、ピストンのパッキンとして用いられて、注目を浴びました。
アスベストの紡績法が改良され、アスベスト布、アスベスト紙が大量生産されるようになるのと、カナダや南アフリカで大鉱脈が発見されるのは同じくらいの頃です。様々な諸国で新鉱脈が相次いで発見され、アスベスト大量使用時代の到来を告げたのです。
工業用原料として
工業用原料としてのアスベストの様々な特性がほとんど解明されつくしたのは、20世紀初頭で、アスベストはこれ以降、建設から自動車の製造まで3000種類ともいわれる工業製品に使われてきました。
特に戦争はアスベストを大量に必要とし、アスベスト産業に好況をもたらしたのです。なぜなら、数多くの軍艦や戦車、軍用機などが分厚い断熱材を必要とし、防毒マスクがフィルター用青石綿を必要としたからです。
敗戦後、日本の復興とともにアスベスト使用量も増え続けましたが、全世界のアスベスト産出量も、ピークの70年代後半には毎年500万トンにものぼりました。しかし、欧米各国が使用禁止に踏み切り、代替品へ移行してからは年間産出量も減ってきています。